おまえはGRAND CROSS:ReNOVATIONで剣を振るえ

よくきたな。おれはイディ・サン・ゴールだ。おれは毎日すごい量のテキストを書いたり「Graze Counter GM」に血道を上げているが、誰にも見せる気はない。


耳ざといおれは真の男のためのSTG「GRAND CROSS:ReNOVATION(以下GCR)」の大型アップデートが入ったことを知り、再びプレイしものすごい衝撃を受け、フラフラになりつつエンディングを見直した。
そしていてもたってもいられなくなったので、この記事を書いて公開することにした。


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  • 注:この記事は社会派コラムニスト逆噴射聡一郎先生リスペクトであり、その特有の文体・言い回しを多数使用して書かれています。
「GRAND CROSS:ReNOVATION」のプロローグをプレイしないやつは腰抜け


目ざといおれは、かつて初めてGCRを起動した数秒間のローディング画面や出撃のシーンから「ひょっとしてこれはデザエモンのにおいがしないか?」と思った。

デザエモン…それはSTG作成用ソフトで「簡単にシューティングが作れる」と見せかけて実は真の男として鍛え上げるツールだ。

グラフィック、ステージ構成、音楽作成。それらの要素たるGUNがぎっしり詰まったギターケース。もしくは「乗れよ、おまえが降りるかおれが力尽きるまで乗せていってやる」と、やさしい目で伝えてくれる気さくで力強いアルパカみたいなやつだ。


おれはデザエモンを通じてマリアッチを志し、真の男としてMEXICOの大地を歩き続けている奴らを何人も知っている。
そしてGCR開発元のRAYNEXもデザエモンの経験者らしく、飢えた狼-WOLF-のようなギラギラした雰囲気がゲーム全体にみなぎっていた。


デザエモンの存在は既に過去の話となった。…が、その炎が未だ燃え続けていることを知ったおれは過去の旧友のような感覚となって嬉しくなり、モニターの前で静かに盃を掲げた。

「ThankYou DEZAEMON and Forever…」とひとりごつながら…。

話が反れた…。



GCRとは「強く死ににくい機体で敵を蹂躙する」機体で強烈なグーで敵を殴ってぶっ飛ばすようなSTGだ。
自身の命を削り放つビーム「太陽剣」と、もっと命を削りすごいビームを放つ「超太陽剣」の使い分けがゲームの肝となる。

基本的に自機が死ににくいと言っても、当然太陽剣を撃ちまくったら瀕死になるし、撃たずにいると敵の弾幕やビームに撃ち負けて結局落とされるというさじ加減になっている。最終的には練習しろ、毎日だ。


STGと言うジャンルに惹かれるのはどういったものか。弾幕か?STORYか?キャラクターか?おれはケレン味だと思う。それはパルプ小説のように開幕から爆発し、銃弾やナイフが飛び交うひりついた空気。

GCRのプロローグは鮮烈なパルプ小説のそれだった。すごい弾幕とビームが飛び交い、自機も負けずにビームを撃ち返してばくはつさせる。戦艦は真っ二つになり、爆発!爆発!爆発!




…おれは一気に胸ぐらをつかまれてMEXICOへ引き込ずりまれることになった。




初めてプレイ画面を見たお前は「ふーん、なんか派手で過剰であえて面白いね」とか知ったようなことを言ったことだろう。だが、それは一部でしかなかったと後に本編で知ることになる。

おれはプロローグの時点でケレン味を含めて構築された演出はかっこよさを通り越して震え…そして興奮した。
そして、STGと言うジャンルを知っても知らなくても、本編に触れれば「今度はこう来るか」と驚くことになるだろうが、ここでは書かない。

お前は怒涛の勢いであふれるパワーに触れた時点でそういう知ったようなコメントができる状態ではなくなり、痙攣し始める。失禁する奴もいるだろう。




確かに粗削りな点が無いわけではない。本編のワンプレイに数十分超掛かる点や、ノーコンティニューを目指し危険行為を避けると爽快感をスポイルされる所などだ。

しかしおれは今回そうした細かい要因であれこれ減点したくないと思った。つよいパワーで敵味方が弾幕やビームを撃ち合う爽快感は何物にも代えがたいからだ。
たとえ落とされてコンティニューすることになっても、リスクを取って太陽剣を撃ちまくって高得点を取った方が結果的にクレジットが増えるなら、おれはそっちを取るだろう。

結局そういったデザインは数年掛けてちゃんと体を鍛えて、ゲームの方向性や演出などちゃんとしたぶれない土台を作るということだ。丁寧に造形されたゲームは「これはやばい」と心ある奴らはプレイ数分で根幹たる筋肉を感じ取ることができる。

ポテトフライ度やハンバーガーのようなインスタントで「どう?おもしろいでしょ?」と言いながら薄っぺらいポリテカリー全方面にはいりょした誰にも怒られないゲームとは違うということを叩き付けながらも、かつ古臭さに取り残されない時流に則ったバランス感覚と説得力が大事なのだ。




神威(でんせつ)が再臨する



今回のアップデートの目玉は「神威」とのコラボレーションだ。神威…おれがかつてK.I.D.SかT.E.E.Nの時代…カネが無くフリーゲームを漁っていた時、神威の体験版に触れて別格のクオリティに震えたタイトルだった。DAISOの店頭にもLIGHT版が所せましと並べられていたのを覚えている。


おれもどうにかして同人版を欲しがったが、如何せん当時のネット環境とR.E.A.Lは隔たりが大きく手に入れる事はかなわなかった。

しかし、数年前にSTEAMに神威の存在を知って速攻でDLし、改めて震えたことを申し添えておく。



以前は英語表記のみだったが近年アップデートが施されてオリジナルの日本語表記がされるようになった


プレイ感覚はどうか?一言でいえば主役機ネグザルツやコラボ機体のキリサメブレードは「強く死ににくい機体で敵を蹂躙する」だった。

だが、神威のそれは180℃プレイフィールが変わる。それは「ものすごく強くものすごくピーキーな機体ですべてを圧倒する」というものだ。そのせいでプレイ感が大きく変わり…超火力で過激ながらいにしえの攻略法たるセンシティブなパターン化を迫られることになる。おれは何度も挑んだがその度に落とされた。そのたびに歯を食いしばって立ち上がってプロローグまではクリアできた。


「そんな!GCRって異世界転生ようなチートで無双するやつでしょ?そんなのパッチノートにも書かれて無いよぅ…」と言うかもしれない。だが、そんな泣き言はもう言っていられない。

神威を知るのがこわい腰抜けは今すぐママのところに帰り、GCRの自動アップデートを止めてもらえ。そして一生、世界の真の姿から目を背け続けていろ。
だが…おまえは真の男なら、この先を進め。そして知るはずだ…神威のなんたるかを…。

おまえは目を覚ませ


おれが言いたいことは一つ。

おまえがGCRをプレイした後はバーフバリやRRRのようなインド映画を観たような圧倒的な情報量に飲み込まれてずのうが疲弊しているはずだ。
そんな時はPCのディスプレイやスマッホを放り出していったん寝ろ。


腰抜けは落ちた時のことばかり考え、省エネして奥の手すら出さず、命を削っても飛び続ける連中のことをあほ扱いする。

だがおまえは腰抜けになるな。腰抜けは全体の熱量を低くして自分だけEASYモードのゲームを楽しもうとしているが、真の男はそんな詭弁には耳を貸さないし、飼い慣らされることもない。何度落とされても、誰から強いられるわけでもなく自ら黙々とプレイし、作り手すら驚愕させハイスコアをバグらせてタルサドゥームを滅ぼす。


おまえは深く長い眠りの中、フィードバックするはずだ。闇の奥に輝く太陽の輝きを…。


そして日が昇るに前におまえは目を覚まし…そして朝日と共に剣を振り、生まれ変わるのだ。

真の男を目指すおまえのMEXICOを切り開く「太陽剣 -SUN BLADE-」を掲げながら…。